
文箱
@hubaco
2025年8月25日

鶴 ――長谷川四郎傑作選 (ちくま文庫は-57-2)
堀江敏幸,
長谷川四郎
読み終わった
Xを追わなくなって久しく、版元筑摩書房の激熱の紹介投稿も見逃していた。曰く、ものすごい作家、と。
降伏、捕虜生活、逃亡兵のお話ばかり。『シベリヤ物語』より読むのに時間がかかったのは、よりいっそう静かで果てのない牢獄のような世界だったから。後半の随筆「デルスー時代」を読むと作品の素材のようなものも窺い知れる。でも語り口がまるで違っていて、その落差に作家の矜持を感じた。

