
読書日和
@miou-books
2025年8月26日

雨雲の集まるとき
ベッシー・ヘッド,
横山仁美
読み終わった
訳者・横山仁美さんが、この一冊を世に出すために出版社を立ち上げたと知って...「誰かの人生をそこまで動かす本を自分も読みたい」と思い、購入。旅先の釜山でじっくり読みました。
読む前には、以前出版された別冊の第1章の再読、刊行記念展への訪問、文学ラジオの配備を聴くなど予習も。いろいろなことが良いタイミングで動いた、参加できてラッキーでした。
アパルトヘイト時代の南アフリカからボツワナへ越境した主人公マカヤ。亡命先のボツワナにも抑圧する者は存在していたが、それでも新しい出会い友情を得ていく。思慮深く控えめなようで、時にストレートなマカヤ。
素敵な言葉はたくさんあるけれど、
特に、ジョージ・アップルビー=スミスの「まだ、君のために身を危険にさらしておく」という言葉。なかなか言えない言葉でメモ。
そして、序盤でのディノレゴの言葉一一
「この土地のいたるところに神はおられる。それは秘密でも何でもない。人々は争うことも、ましてや敵を殺すこともできない。」
ここには人間の本質に触れる大切な真理があるのでは。この本の書かれた時から半世紀たちアパルトヘイトは終わったけれど、戦争も虐殺も差別も残る現代を振り返って、もう一度かみしめてます。
