
くりこ
@kurikomone
2025年8月27日

まだ読んでる
北条民雄大好きだったのでずっと読みたかった本!やっと借りてきた!
p.52
コロナの感染症拡大を防ぐための措置が患者の人権と抵触することや私たちが感染者に向けた眼差しが、
過去のハンセン病者への差別や偏見を反省したのものになっていないという指摘は大変重要だと思う
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P.169
北條にしても、彼が生み出した佐柄木にしても、「無意味なんかじゃない自分」を証明しようとして、苛酷な無限ループを走り続けているような節があります。
「自分の生命に意味がない」ということに抗いたくて小説を書くのだけれど、そもそも、その生命自体が小説のネタにもならないほど無意味なものかもしれない。でも、自分の生命が無意味なことは否定したいから小説を書く。でも、やはりそこに意味なんてないのかもしれない。果たして、自分は「生きる意味のある生命」を生きているのだろうか
自分の生命が無意味なものとして扱われる絶望と、自分の生命を無意味なものにしたくないという抗い。北條民雄の文学作品には、この二つの激しいせめぎ合いが通奏低音のように流れているわけです。

