
すなまち
@suna_mathi
2025年8月26日

灯台へ
ヴァージニア・ウルフ,
鴻巣友季子
読んでる
人と人の間に流れる空気の細やかなひだが息苦しいくらい生々しく立ち上がってくる。晩餐会のシーンはものすごい密度を感じた。
それとは別に、この部分が好き。
「こうして思い出にひたるのは、おもしろい本を再読するようなものだった。なにせ二十年前のことで結末はわかっているし、人生は今夜の晩餐会から先も、流れ落ちる滝のように行く末も知らず下っていくわけだが、追憶のなかのひと幕はしっかりと封じこめられ、彼我の岸にはさまれた湖のように穏やかに横たわっていた。」
年齢を重ねるに連れて、良い思い出というものがどんどん真空パックされた素敵な何か、うつくしい風景のように思えることがあって、まさにこういう気持ち。


