
海老名絢
@ebina_aya
2025年8月27日

地方女子たちの選択
上野千鶴子,
山内マリコ,
藤井聡子
読み終わった
読んだ人たちがネットとかzineとかで「わたしの地方女子としての選択」あるいは「都市部の女子としての選択」を語るきっかけになる本だと思う。
富山県の女性たちのライフヒストリーを集めた本なので、地方都市育ちとしては「これ知ってる」という気持ちになることが多かった。
語り手を富山県の人に限定していることが功を奏していると思う。富山がしんどい人から富山が心地よい人までいて、ずっと富山に暮らしている人、富山を出て行ったままの人、富山にUターン・Iターンした人がいて、富山という土地をいくつもの視点で読むことができる。自分の意思で富山にいる人だけでなく、出ていくきっかけを掴んだけれど出ていけなかった人もいる。そのときにできる選択をしながら生きていくしかない。
上野千鶴子さんの「あなたがどんな選択をしても、それがあなたにとって納得のゆくものなら、わたしたちはそれを祝福したい。」に尽きる。
全ての事柄において納得のゆく選択は不可能だけれど、納得のゆく選択を一度でもできたかどうか、がその人の人生に大きな影響を与えるだろう。納得しているのなら地方に暮らそうが都会に暮らそうが自由だし、納得できていないのならば傍から見て幸福そうであっても何かに縛られているのだと思う。
最初から納得のゆく選択ができなくたって、後から叶えることもできる。
わたしはまあまあ納得して大阪にいるので、呪いを吐きたい日があっても、自分を祝福したい。

