あんどん書房 "古都" 2024年10月31日

あんどん書房
あんどん書房
@andn
2024年10月31日
古都
古都
川端康成
雪国も伊豆の踊り子もピンと来なかったけれど、こちらはなかなか好きなの感じだった。(戦後文学に慣れてきたのもあるかも) 最初あらすじだけ見たとき「森見登美彦的な、現実と非現実が交差する話?」と思った。幻想的な部分はあったけれど、非現実ではなかった。 さすがに京都小説の代表作というだけあって、四季の描写や祭りの説明には力が入っていた。中心部と周縁部の文化的な違いとか、観光地化してゆく商いの姿とか、京都のいろいろな側面が見える小説。 自然の描写はとにかく綺麗だ。平安神宮の桜を描いた 「西の回廊の入り口に立つと、紅しだれ桜たちの花むらが、たちまち、人を春にする。」という一文が割と初めの方に出てきたけれど、ここでぐっと引き込まれた。こういう文章書けたらかっこいいよなぁ。 今後京都に行くたびにこの作品の場面をぼんやり思い出すだろうな。 本文書体:リュウミン 装画:森村玲「伏見 千本鳥居」 デザイン:新潮社装幀室
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