Eukalyptus "本をともす" 2025年8月28日

本をともす
本をともす
小谷輝之
普段鈍器本や専門書ばかり読んでいるのでこの本はライトすぎて1時間で読み終わった。が、内容が薄いなどとは思わなかった。 いち書店員として、人文書と自然科学、(勝手に)生物の選書を担当している身として、選書のスタンスに近いものを感じた。 良いと思う出版社がほぼ一致。私もそれらを好んで発注をかけているんだよー!と思った。 大手の本屋でもなければひとり本屋でもない、小さな本屋で働いている身として、取次に関する諸々に関しては(書店経験はないと記してあった上で)まだ見えていない部分があるな…と感じたりもした。 私はあと半年足らずで今の職場を退職する。仕事自体は大好きだし、選書にも自信があった。どこの書店よりも自分の選書した棚が一番好きなくらい。それでも離れざるを得ない環境になってしまったので、そこがとても惜しい。毎度くる販促のチラシを見るのが大好きだったし、数ヶ月早くから良さげな本に目星をつけるのも楽しかったから、これからはおおよそそれが叶わなくなる。自らでより良い本を探し、書店で購入することになるはずだ。私の選書がまたどこかで必ず活かされることを自分に願う。 ひとり本屋はただでさえ火の車であろうが、私はそういったところで働きたいと常々思う。
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