
きん
@paraboots
2025年8月29日

傲慢と善良
辻村深月
読み終わった
東京出身東京在住の西澤架と、群馬出身東京在住の坂庭真実。二人は婚活アプリを通じて知り合い、そして付き合う。ある日、真実にストーカー被害を訴えられることを機に、架は真実を守るため結婚することを決める。二人は結婚式場まで決め順調にいっていたが、ある日、突如真実が架の前から姿を消してしまう。架は真実を探す中で、自分の知らない真実の姿を知ることとなる…
二人を巡る恋愛や婚活の長編小説。
読みながら自分の心に突き刺さる言葉み多く、正直ところどころ読むのが辛かったように思う。
自分に置き換えて、こんな時自分ならと考えてしまうことは、ある種作者の辻村さんの掘り下げによるものであり、登場人物の言動や行動を決定付ける心理などを深く追い込んでゆく過程は、割と自分自身と向き合わされる感覚があった。
誰しもこの本を読めば、自身のうちに傲慢さと善良(無自覚と言ってもいい)に突き当たる。
そして、よく考えさせられるだろう。
そして読む人は、自分の決定の正しさや自分の決断に対する覚悟みたいなものを、いかに自覚しながら持ちえていないだろうと気付かされるはず。
何かを決めて行動する時、傲慢さと善良さはもとより、承認欲求や劣等感、羞恥心や厚かましさ、執着や鈍感、諦めや迷い、愛着や頑固さみたいなものを、常に漠然と自分は感じながら生きてきたんだなぁと露わにされた感じがする。
あとがきの朝井リョウさんの言葉も読めて良かった。








