
noko
@nokonoko
2025年8月29日

読み終わった
借りてきた
心に残る一節
「幡野さん、本当にがんで死ぬんですか?」
「うん、死ぬよ」…
「真冬にテラス席なんかにいて、大丈夫なんですか?」
「そりゃこんなところより、病院の減菌室にずっといたほうがいいよね。でも、そんなの、つまらん人生よ」…
「もしわたしががんになったら幡野さんと同じように思うかもしれませんが、家族ががんになったら『外なんか行かないで、病院にいて! 』っていうかもしれません」
「奈美ちゃんの気持ちはわかるけど、それって結局は自分が悲しみたくないからだよね?」
うっ。
「本人が悲しんでるかどうかは別でしょ?」
ううっ。図星だった。家族が病気になったとき、食べものも外出も、楽しいことを何もかも制限したとしても、少しでも長生きしてもらいたいと思う。でも、それを本人が望んでいるかどうかは、わからないのだ。
「これちょっと言いづらいんだけど、死ぬ方は多分楽なんだよね。しんどいのは残された方だよ」

