
@nk
@nk_250828-
2025年4月6日

菜食主義者
きむふな,
ハン・ガン
かつて読んだ
読了@nk
ある夢を見て菜食主義となる。その当人ではなく、近親の3人が語り手として置かれた圧巻の連作中篇小説。
─ やすらかな日常に潜んでいる人間の本質的な欲望と実存を見据える ─
と、ハン・ガン作品を評していたのは訳者のあとがき。そんな輪郭を捉えるなぞ私にはまだ時間が要りそうだ…。
言えるとすれば『すベての、白いものたちの』と同様、 遠い記憶を揺り動かされつつ読んだということぐらい。
“「」” をも消えゆくようにあらゆる境界線が朧となり、そのはざまに対峙するかの睥睨にて物語は閉じられる。小説と現実のあわいが見定められない一瞬が生ずる稀有な読書体験だった。
これこそが文学というものなのか。



