
益田
@msd
2025年8月31日

14歳から考えたい 暴力
Philip Dwyer,
荻野哲矢
読んでる
西洋が若干中心的ではあるが、様々な大陸地域での歴史的経緯と学者の見識を通して考えさせる構造になっていてすごくありがたい。
・「殺人の周縁化」、犯罪とはおもに法の枠外にいる社会的地位の低い人びとによっておこなわれる攻撃的な紛争管理の一形態であるという主張(ドナルド・ブラック)
→実際、そうした人びとは法律を抑圧的で、自身の日常生活からは遠いものと考えることが多いから、紛争の解決に殺人を含む攻撃的手段を用いる傾向が強い。
→殺人の減少は、必ずしも国家の強大化そのものが理由ではなく、国家と市民の関係によるもの。
・16世紀以降主権国家として暴力の独占が進んでいた。暴力を行使する司法機関を管理し、暴力の脅威や違反者に対する実際の身体的な処罰によって国民に法律を遵守させる側面と、(西ヨーロッパで)儀式や典礼、象徴を通じて国家の「自然的脅威」を示す広いメッセージを伝える行為でもあった。
・宗教は必ずしも暴力の原因ではないがしばしば暴力に対して道徳的な正当化を提供する。



