
CHIKI
@YM71D
2025年8月30日

国宝 下 花道篇
吉田修一
オーディブル
満足
話題になってるから、と手をつけてみたら!
歌舞伎もさっぱりだし、ヤクザ系の話は手に取らない方なのに、こんなに入り込めたのが不思議。いろんなことに振り回される中での努力や迷い、思い、そして別れがあって、それらが喜久雄をつくっていく、、喜久雄の幼少からずっと見守ってきて、喜久雄と俊ぼんの熱い思いに胸いっぱいになる、、、
あっという間に上下巻聞いちゃったー!
これから映画も見てくる!
映像が、演技が迫力あって、演技に感動した!
徳次のセリフを春ちゃんやアヤノが代弁、、、やっぱり徳次の存在は大きいし、だからこそのヤクザの家系、っていう設定なのにな、とは思うけど、時間内に収めきれない内容を、ここまで魅せる凄さよ!
光友社員のタケノがなんかずっと見守ってきた的なポジにいるのもちょっとなーって思ったりもしたけど、逆に物語を先に聞いたからこそ、映画はそのダイジェストのようだった、、、
「読んでいてずっと考えていたのは、この地の文は誰なんだろうっていうのと、喜久雄は父の本当の仇をいつ知るのだろうということ。
物語の序盤から、喜久雄の父が誰に殺されたか、既にこちらは知っている状態で。
でも、喜久雄は知らないから、相手を勘違いしたまま敵討ちに出るし、長い間真犯人と知ることなく縁を繋いでいく。
読んでるこっちからすれば、「そいつは喜久雄の父親殺した真犯人だぞ」って教えたくなるくらい。
地の文に関しては、芸の神様が喜久雄の行く末を見守っているのか、それとも喜久雄が契約した悪魔が、気まぐれに喜久雄を観察していたのか。
はたまた、喜久雄の亡き実母が息子を心配して見守っていたのか。
悪魔だったら、ラストの解釈として、喜久雄の願いを叶えた対価としてその魂を手に入れたのかなって思ったのだけど。
芸の神様だとしても、やっぱり喜久雄を手元に置きたくてその魂を誘ったのかなとも思ってしまう。
亡き実母だったとしたら、ずっと頑張ってきた息子に、もう大丈夫だよと、楽にさせてあげたかったのかな。
ラストが衝撃的というか唖然というか…読者に想像させる余地を残しているからこそ、原作とは違う映画の締め方だったのかな。
映画では、喜久雄は最後報われているように感じたから。
ああ、でも、原作の喜久雄にとっては、あれで報われたことになるのかな。
読み終わってから、こんなにも登場人物達のことを考えてしまうのは久しぶりです。
読み応えのある物語でした。」
と、感想を書いてる人がいて、激しく共感した!!
