amy "水やりはいつも深夜だけど (..." 2025年8月31日

amy
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@note_1581
2025年8月31日
水やりはいつも深夜だけど (角川文庫)
家族は何がどうあればうまくいっている、と言えるのだろうか。 当然のことながら人間が生まれて育っていく過程には教育だったり労働だったりその他いろいろなことに関わるし、その関わることのしわ寄せがすべていくのが家族という場なのだろうと思う それだけいまのこの社会では家族や家庭で担わなければいけない役割が大きすぎる 求められる夫像や妻像、父親像、母親像、はては子どもの理想的な姿までもが社会から無言の圧力で求められ、そこから弾かれた場合のケアは家族がすることになる それなのに労働時間は長く、各家庭の働き手は時間もきつくて余裕なんてない 家族にしわ寄せがいくとどうなるか、社会とのコンフリクトの狭間で揺れる人たちを窪美澄さんが描いた。社会への批判的な視座を保ちつつ、作中で生きている人物たちは必死で愛おしく映る。 背中を撫さすってあげたくなるような、この人の行く末を見守らずにはいられないというような人物だし、そういう物語が上手な作家だと思う
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