
くりこ
@kurikomone
2025年8月31日

布団の中から蜂起せよ
高島鈴
再読中
p.119
蜂起せよと呼びかけるとき、私は全員に対して「立ち上がれ」とは絶対に言いたくない。文字通りに「立ち上がって」何かする必要があるなら、立ち上がれる人が立ち上がればよいのである。立ち上がれない人を無理に立たせるような革命には、私は賛同できない。布団に這いつくばり、顔をじっと伏せて、何も考えたくない、何もしなくてよいと誰かが命じてくれるのを心底望んでいるような苦境にいる人と、私は常にともに在りたい。私自身がそうであるからだ。蜂起するために必要なのは、その命たった一つではないか。われらーあえてわれらと言うーはすでにここに在る以上、存在にけちをつけられる余地はない。それ以上のことは基本的に全てオプションであって、社会から脅迫的に行動を求められるのは本来おかしいことだ。いかに動けなくとも、今そこに社会との摩擦を感じながら存在しているのなら、私はその生存を存分に祝福したいし、続く生存そのものを抵抗として捉える。湿った布団の中で力なく握られたその拳を、私は絶対的な蜂起の印として認めたいのである。




