阿久津隆 "トピーカ・スクール" 2025年8月13日

阿久津隆
阿久津隆
@akttkc
2025年8月13日
トピーカ・スクール
トピーカ・スクール
ベン・ラーナー,
川野太郎
アダムの出番。と思ったら「たしかに、きみはこれまでの試合を楽勝で勝ち進んでいる」とエヴァンソンが言うところから始まってアダムの出番だと思ったさっきの試合はもう終わって勝ったらしかった。両親もいる中でエヴァンソンはアダムに教えを与えていた、アダムの負かしかたが間違ってると指摘した。「スイング・ステートにいると想像してみろ」とエヴァンソンは言った。「君の利点はカンザスだ」とアダムにエヴァンソン。 p.261 きみにはアメリカ中部地方の英語がある。さっと脱線して、打ち解けた感じを出してほしいんだよ。「ブタには口紅を塗っても、ブタはしょせんブタです」そんなようなことをね。エリツィンが約束を破ったことについてとんでもなく雄弁に語ったあとでこう言ってほしいんだ、「ところでカンザスでは、それは嘘と呼ばれています」。北極圏の掘削を規制する条約について話してから、「ところでカンザスだったら、そんな条約は締結しませんね」と言ってほしい。それが本当じゃなくてもかまわない、そうだということが実証済みであるかのように伝わったらそれでいいんだ。「実証済みですよ」と言え。言いたければ「締結しねえ」と言ってもいい。あえてやっているんだと、引用符で囲まれた言葉だと聴衆がわかってさえいれば、文法がおかしくてもいいんだ。その地域の作法に沿った人当たりのいいキャッチフレーズで、高尚な流暢さを遮れ。 エヴァンソン怖い。いくつかの政治家の顔が浮かび、エヴァンソン、怖いな、と思った。ジェーンもその思いを共有しているようだった。ジェーンが息子に向ける視線が救いだったし、昨日読んでいたジョナサンのところもそうだけど、この家族の関係というか、子を語るときの距離感が好き。
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