
あめ
@candy33
2025年9月1日

舟を編む
三浦しをん
買った
読み終わった
読書メモ
小説
ドラマ(もすごく良かった!)を見終えたこともあり、何年かぶりに再読。
まず、「これ、本当に読んだことあったっけ?」というくらい内容を忘れていたことにびっくり。岸辺さんや宮本さんはドラマ専用キャラだと思い込んでいたほど。忘れるにも程がある。
こんなほぼ初読状態の上、当時と今とでは自分の置かれている状況が違っていて、ストーリーを単純に楽しんだであろう(だからすぐ忘れちゃったんだ)当時とは違い、言葉の役割を考え、言葉と誠実に向き合い、辞書という形にしていく登場人物たちの姿に深く共感した。
「言葉の持つ力。傷つけるためではなく、だれかを守り、だれかに伝え、だれかとつながり合うための力に自覚的になってから、自分の心を探り、周囲のひとの気持ちや考えを注意深く汲み取ろうとするようになった。」
「記憶とは言葉なのだそうです。香りや味や音をきっかけに古い記憶が呼び起こされることがありますが、それはすなわち曖昧なまま眠っていたものを言語化するということです。」
「言葉は、言葉を生み出す心は、権威や権力とはまったく無縁な、自由なものなのです。またそうあらねばならない。」
私も、繊細に誠実に言葉を選び、人ときちんと向き合いたい。
そのための言葉をおなかの貯金箱に貯めていこう。
それが、船を編むってことだね。
(ドラマでもいいセリフがいっぱいあって、用例採集カードを作りたいほどだったなー。)



