
渡辺洋介
@yskw0514
2025年9月1日

地方女子たちの選択
上野千鶴子,
山内マリコ,
藤井聡子
読み終わった
富山に縁がある女性14人の語りを聞き取る本書、地方で女性が生きるとはこういうことなのかとまざまざと突きつけられる現実。
結局、誰か(女性)を犠牲にすることによってぬくぬくとポジョションをキープしていた
家父長制によって成り立っていた日本社会が可視化されたと言うべきか
2025年のベストと言っても良いだろう。
本書は富山の地方版元だけあって神奈川の書店では初回配本がほぼなかったのだがそれにしても県内の書店担当者さんにももう少し頑張ってアンテナを
張って仕入れてほしいところ 忙しいのは充分承知の上で
上野千鶴子・山内マリコ著であれば実績と需要があるのは間違いないし
目利きとそこに対する信頼感がネット書店に対する有効性の一つだとは思うのだけれど。
そして、あそこならあるだろうと南区の良心「本屋象の旅」に在庫確認をお願いすると
現在取り寄せ中とのこと、流石と思いながら入荷後購入した次第。
繰り返しになるが信頼感は大事だ。
18歳で富山を離れた山内マリコさんの諦念漂う望郷の思いがとても良かった。
「デビューしてからずっと小説に描いているのは、富山をモデルにした地方都市だ。
小説の中ではずっと、富山で暮らし、いまも富山で生きている。もしかしてわたし、帰りたいのかも。帰りたいけど、帰れないのかも。」P66
本書は繰り返し読む価値があるので今一度考えて読み込めればと思う次第。

