fuyunowaqs "昼の家、夜の家" 2025年8月31日

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@paajiiym
2025年8月31日
昼の家、夜の家
昼の家、夜の家
オルガ・トカルチュク,
小椋彩
読み終えてからも波紋のように広がって、重なり響きあう、ふしぎな作品だった。得難い体験をさせてもらった。 訳者あとがきによれば、挿話の数は111らしい。場面が変わるたびに、また距離も時間も離れた話に移ったな、と思っていても、読み進めると語り手とマルタのそばに手繰り寄せられるというか、透明だった糸が姿を現してえにしの繋がりを知らせてくれるような構成だと思った。語り手の好意にひっぱられて、老齢のマルタの平穏無事を祈るような気持ちで読んでいた。作者の善意に縋りたかった。 語り手が自身について開示した「乳母」の305ページで胸が震えた。トカルチュクのほかの作品もかならず読みたい。
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