おかわり "ヘーゲル「精神現象学」3月" 2025年9月2日

おかわり
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@Okawari
2025年9月2日
ヘーゲル「精神現象学」3月
「自立しているかに見える主人は、自分ではご飯をつくることもできないし、着替えもできない。実のところは、奴隷の『労働』と『奉仕』に依存しきっているというわけです。」(p.37) ヘーゲルの「主奴の弁証法」について、この例が印象的。どれだけ自立したお金持ちであっても、その生活にはさまざまな仕方(水道業者、生活品の輸送業者、公共交通機関の職員などなど)で生活をサポートする労働者の介在が不可欠で、社会の所得再分配における議論ではそうした存在が抜け落ちた言説が近年多く見られます。 また、第3回(p.72以降)における啓蒙と信仰の戦いは最近話題の外国人問題における重要な指摘だと思いました。本書で1番喰らったのはこの部分。自然科学やエビデンスは勿論大事だけれど、それが全てではない。統計を根拠にどれだけ「外国人による犯罪は増加しておらず、これは差別だ」と糾弾しても、外国人が増える現状に不安を感じる人々との議論は平行線になると思います(現にSNS上で糾弾する人の言葉は全く届いていない)。啓蒙する側は糾弾をするのではなく、どのようにそうした人々の不安を解消するかについて議論を深めるべきであり、そうした人々の声を無視して外国人政策を推し進める政府の怠慢こそが問題だと思います。 とにかく、全人類Twitter(あるいはX)のアカウントを登録する際はなんらかの仕方でヘーゲルの『精神現象学』に触れることを必須にした方が良いと思います。また『精神現象学』はどこかで勉強したいなー。
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