
本と香りと、
@hon_kaori_
2025年9月2日

BRUTUS (ブルータス) 2025年 8/15号
BRUTUS編集部
読んでる
上田岳弘「昨日だった気がする」
本文より
『ある種の小説は、強者の弱い心を守る、モンスター弱者を作り出してしまうんだ』
『世界の終わりに対応するために、人間は不必要となった現実感を捨て去ろうとしているわけです。そうして、僕たちに〈昨日だった気がする〉が芽生えた』
メモ
序盤は、家ちゃんさんの「位置情報がちょい弱め」のスマホのように、彼とbluebird226の対話のあいだを揺らぎながら読んでいた。
中盤から終盤にかけて、言葉の重量や強度、速度が、一気に大きく、高くなり、ずっしりと身体にのしかかってくるのを感じたとき、序盤の私は「昨日だった気がする」状態だったのか、と気がつく。
短編だからこそ、それを「絞め殺す」までの感覚を、端的に疑似体験させてくれたと思う。


