

本と香りと、
@hon_kaori_
- 2026年6月14日
すべての、白いものたちのハン・ガン,斎藤真理子読み終わった韓国文学読書会の課題本 一人で読んだときは、白い石を「沈黙の手ざわり」と例えることや、白いレースカーテンに心惹かれる描写など、人生を流れる時間への美しい眼差しと、それを文章として確かに表現する力に感嘆した。 けれど一方で、人生の根底に喪失経験を抱えている人が書き記した文章は、その経験に乏しい自分の浅はかさを直視させられるようで、ほんの少しだけ、恥ずかしい気持ちで読み終えた。 読書会では、「この物語の執筆を通して、ハン・ガン氏自身は喪失の経験を乗り越えられたのか?」という問いがあった。 私は自分を恥じ入るばかりで、ハン・ガン氏の視点に立てていなかった。本作の語り手のように、姉の吐いた息を引きつぎ、自身の生を吸い込んで歩みはじめたと…安易にとらえていた。 実際はどうなのだろう。本作が傷を抱えて生きる人間の救いとなり、寄り添い続けるように、ハン・ガン氏自身が抱える傷も癒えたのだろうか…そうであってほしい。
- 2026年4月18日
わたしたちの停留所と、書き写す夜キム・イソル,小山内園子読み終わった家族という血縁の縛りと、貧しい住まいの環境、 どちらの『家』も、鬱蒼とした閉塞感をもって描かれていて、 読み進めるためには、とても気力が必要だった。 そこに、語り手である『わたし』の 深く、根強い自己卑下の発露も重なってくるので、 さらに暗澹たる気持ちになっていった。 韓国の読者たちが、著者キム・イソルさんを 『居心地が悪い小説を書く作家』と呼ぶのも納得がいく。 ただ、読んで後悔しているのか?と言えば、 まったくの正反対で、読み逃さなくて良かった、と言える小説だ。 なぜなら、『わたし』の姿を通して、 「私も、馴染んだ不幸を選んでしまっていないか?」という、 自問自答を促してくれるだけではなく、 そこから抜け出そうとしている者の小さくて弱い背中を 見せてくれたからだ。 - 2025年12月14日
- 2025年10月6日
誰でもないファン・ジョンウン,斎藤真理子読み終わった読み始めた - 2025年9月30日
ダ・ヴィンチ 2025年10月号 [雑誌]ダ・ヴィンチ編集部読み終わった朝井リョウさんの新刊を読む準備として読む。 魚豊さん、オードリー若林さんとの対談がとくに良かった。 新刊を読むのが楽しみ…! 『実態に一つ一つ向き合った時には解決できるかもしれないことが、陰謀論と呼ばれることで絶対に攻略不可能な問題にすり替わってる。』(朝井リョウ✕魚豊 対談より) - 2025年9月15日
愛のかたち小林紀晴読み始めた0915 プロローグ 随分前に購入していた本。反射的に手に取ったのは良かったが、なかなか読み進められなかった。 電車で読む本を探していたとき、久しぶりに背表紙に触れた。ちょうど、自殺予防週間の関連研修を受講する予定があり、それを口実にしなければ、また本棚で眠らせることになるだろう。 指先に微かな緊張を感じながら、読みはじめた。 - 2025年9月9日
- 2025年9月2日
BRUTUS (ブルータス) 2025年 8/15号BRUTUS編集部読んでる上田岳弘「昨日だった気がする」 本文より 『ある種の小説は、強者の弱い心を守る、モンスター弱者を作り出してしまうんだ』 『世界の終わりに対応するために、人間は不必要となった現実感を捨て去ろうとしているわけです。そうして、僕たちに〈昨日だった気がする〉が芽生えた』 メモ 序盤は、家ちゃんさんの「位置情報がちょい弱め」のスマホのように、彼とbluebird226の対話のあいだを揺らぎながら読んでいた。 中盤から終盤にかけて、言葉の重量や強度、速度が、一気に大きく、高くなり、ずっしりと身体にのしかかってくるのを感じたとき、序盤の私は「昨日だった気がする」状態だったのか、と気がつく。 短編だからこそ、それを「絞め殺す」までの感覚を、端的に疑似体験させてくれたと思う。
読み込み中...

![BRUTUS(ブルータス) 2025年 9月15日号 No.1038 [釣りの入口。Fishing with・・・] [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61aUqZV4XJL._SL500_.jpg)