
maru
@hon7177
2025年9月2日

ほどなく、お別れです
長月天音
読み終わった
心に残る一節
@ 自宅
ずっとどこまでも涙が止まらなかった。
大切な人たちを見送った日や何も出来なくて悔やんだ日のことをどうしても思い出してしまった。
辛い悲しい苦しいけれど、区切りのために、認めるために、諦めるために、式は本当に必要なものだなと思った。
坂東会館のような葬儀場で式ができたらいいなと、後悔の念がなくなることはなくても作中の人々のようにきちんとお見送りできたらいいなと思った。
グリーフケアという言葉も初めて知った。
死や故人についてだけでなく、生や遺族についても考えた。
とても良い小説に出会えました。続編も読みたい。
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空になった食器を見るたびに感じるのは、生きている人はどんな時でも食べなくてはいけないということ(p.30)
語ってあげるのも供養だと、さっきまでお身内から聞かせてもらっていたんだよ。聞いてもらうと楽になることってあるでしょう?(p.33)
形だけの葬儀ではなく、死者にとっても遺族にとってもきちんと区切りとなる式をするのが俺の仕事だ(p.120)
どこかでもう亡くなったことは分かっているものです。それを認めたくないだけで/このまま式を進めていけば、だんだんと納得していけると思います。/どう死を認めるか。どう諦めるか。ご遺族の気持ちに区切りがつくことで、たいていは死者も納得するものです(p.125)
誰の体も骨になってしまえば同じだ。清浄な炎に包まれ、生という殻を脱ぎ捨て、真っ白な骨になるのだ。そこにはもうどんな悲しみも苦しみも存在しない。(p.249)
死は特別なものではなく、自分の近くにも必ず訪れるものだということに。どんなにつなぎとめたくても、するりと指の間を通り抜けてしまうものだということも。(p.267)


