JUMPEI AMANO "インターセクショナリティで語..." 2025年9月3日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年9月3日
インターセクショナリティで語る植民地支配と侵略戦争
第5章残りを読む。〈日本の香港侵略、占領支配という歴史自体が日本人の頭に入っていません〉(162頁)という著者の言葉、耳が痛い。 第6章(松田英里さん「近代日本の戦争障がい者」)も読む。「癈兵」の視点から日清・日露戦争を捉え返し、戦前期日本社会が戦争犠牲者とどう向き合ってきたのかを報告する小論。以下の記述などにハッとさせられる。 〈恩給法の成立後、戦死者の慰霊のため癈兵団体は戦跡巡りの旅に出かけています。朝鮮から「満州」へと移動するなかで、在朝・在満日本人の温かな歓迎を癈兵は受けることになります。日本国内では、障がい者として蔑視され、冷淡な視線を向けられていた癈兵は現地の日本人の歓迎ぶりにいたく感動したようです。また、かつての戦場跡地が「発展」した様子を目の当たりにし、自らの戦争体験の意義を再確認することになるのです。恩給増額・待遇改善運動では国家・社会と対立した癈兵ですが、朝鮮・「満州」への固執と繋がっているという点では、国家の戦争の「記憶」と癈兵の戦争体験の位置づけは親和性があったと言うべきでしょう。/日中戦争以降は、それがより鮮明になっていきます。[...]〉(176-177頁)
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