
ユメ
@yumeticmode
2025年8月22日

ただいま装幀中
クラフト・エヴィング商會
読み終わった
心に残る一節
感想
クラフト・エヴィング商會のお二人が、装幀の仕事についてや、ちくまプリマー新書について語った「紙上トークショウ」。ずっと、篤弘さんと浩美さんがどのようにしてお二人で装幀の仕事をされているのか気になっていたので、軽妙な語り口で明かされるその仕事ぶりを非常に興味深く読んだ。
クラフト・エヴィング商會が手がけたプリマー新書のカバーデザインのうち、128点がフルカラーで収録されているのは圧巻。この本のデザインはどんな風にしてアイデアが浮かんだか、といった裏話が聞けるのも楽しい(最近刊行された三島邦弘さんの『出版という仕事』も購入したので、そちらのカバーデザインについてお話しされているのが読めたのも嬉しかった)。
一般的な新書カバーがレーベル毎に同じデザインで揃えられているなか、プリマー新書の一冊ずつデザインが異なり、しかもすべてを同じデザイナーが装幀しているという点は大きな特色だと思うが、そこに「子供たちにリボンをかけた小箱をプレゼントするようにつくりたいと思ったんです。で、その小箱の色とか形とかリボンの長さや柄といったものは、みな違っている方がいい」という想いが込められていたことは初めて知り、その真心に深く感銘を受けた。
また、お二人は「本を手にとることが『喜び』や『救い』であってほしいですね」「それしか考えてないですよ、装幀をするときって」ともお話しされている。これまでも私にとって読書は喜びであり救いであったが、この本を読んだことで、ますます読書が素晴らしいものになる気がした。



