
まとまと
@matomato0624
2025年8月31日

自由に捕らわれる。
カンザキ・イオリ
読み終わった
カンザキイオリさんの小説第3作。
1週間くらいで読み終わった。
【過去】に主人公の大切な人が死んでいて、その人に心を囚われてる主人公がいて、物語が進むにつれて、【現在】で身近にいる死にたい人間を救うという構成が、第1作の『あの夏が飽和する。』とよく似ていると思った。
登場する少年少女たちの言動がなかなかに衝動的かつ暴力的で、でもそこに不快感を覚えないのは、そこにあるのは残忍さではなくて、もっと切実で、堪えきれない痛々しい感情だからだと思う。
以下ネタバレ
個人的に好きだったのは、主人公の姉のあーちゃんが、やりたくない仕事で心をボロボロにして家族に冷たく当たる女の子だったのだけど、主人公の姿夜に、
「死ね。死んじまえよ。仕事のストレスを家に持ち込んでくんじゃねえ。安月給で家に寄生する居候のくせに。母さんも父さんも僕も皆知ってんだよ。あーちゃんがそんな仕事好きじゃなくて、でも無理して働いてんの。皆心配してんのに、あーちゃんは全部無視してる。皆の心配全部振り解いて、イライラをぶつけてる。あーちゃんはそんな人じゃなかった。誰だよ。誰なんだよてめえ」と言われて大喧嘩になるのだけど、翌朝、「会社、辞めていい?」と言って、結っていた髪を解いてスーツを脱いで下着姿になってソファにダイブして、お酒を一気飲みして、弟たちに「オラやるぞ。ゲーム。なんだ。マリオか?スマブラか?」と言って、会社からの電話に出るやいなや「辞めっから!」と叫んでベランダからスマホを投げ捨てたりするところ。
本の感想書くの下手だなぁ。
好きなところはまだまだあるけど、今はこの辺で。
