紅井 殻 "増補新版 補給戦" 2025年11月14日

紅井 殻
@akai_kara
2025年11月14日
増補新版 補給戦
増補新版 補給戦
マーチン・ファン・クレフェルト,
佐藤佐三郎,
石津朋之
戦争というと兵士の生死、地雷、戦車、銃火器などショッキングなものを想像するが、本著は戦争の土台とも言える兵站の話。 言われてみれば当然だが、武器や乗り物を使うにはガソリンや弾丸などが絶対に必要であり、当然それを扱う兵士たちを餓死させないために食料が必要である。なのでそれらを基地から前線まで運ぶ必要があるわけだが、運搬中に襲われたら終わりだし、何も考えずに勝ちまくると前線と基地までの距離が長すぎて戦闘を一時停止させる必要が出てきたり、前線で使うはずのガソリンを運搬する過程で大量に消費してしまったりする(戦術的には勝っているけど戦略的には負けている)。 つまり「戦略は兵站によって制限されている」ということを本著は膨大なエビデンスの下で述べている。 「腹が減っては戦はできぬ」という有名な言葉があるが、本著を読んでいるとその言葉はまさに真理だと思った。 個人的にナポレオンは兵隊を細かく分けて、食料を現地調達(略奪)させていたというのを初めて知って驚いた。のだがこの山賊チックなやり方は、兵站に縛られずに迅速に移動できるので合理的ということに関心した(単位時間あたりの弾丸消費量が少なく、車もなかった時代だからこそできたことだけども) 総じて比較的読みやすく、軍事学とか歴史に興味ある人はおすすめ。
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