きん "私運転日記" 2025年9月6日

きん
きん
@paraboots
2025年9月6日
私運転日記
私運転日記
大崎清夏
読みたくて、だいぶ前に買ったが、読み始めると、どうにも読み進まなかった。 それは単に大崎さんの言葉が自分にフィットしないとか合わないとかそういう話なのかなと、本書をずっと放置してたが、読み終えた今思うのは、フィットしないとかではなく多分、大崎さんの言葉の一つ一つを、そのまま捨て置いたり読み飛ばしたりおざなりにしておけなかったんだろうなという事。 実はそれが分かったのは、読書日記をつけつつ読み進めたことがあったからで、こんなにも重く惑わし、そして考えさせられる言葉の数々を抱えきれなかったせいでもあった。 当たり前かもしれないが、大崎さんは言葉のプロなので、素敵な表現はおろか心のひだに留まるようなことばを数多く書いている。しかしその巧みさよりも直向きさ、心に残る心を動かすことばが多かった印象。 そしてぼく自身、自分でもしばらく書けなくなっていた日記を、また書いてみたいと思わせてくれたのは、本書を読んだおかげであり、日記を書くということが自分との向き合う営みであるからに他ならないし、それはひどく面倒で重く時間のかかることだから、多分この本を読み進まなかった要因の一つだったんじゃないかと考えてる。 追伸 自分が大崎さんと同世代でもありかつ、最近おこった出来事を中心に綴られた本書であることも、ことばを捨ておけなかったひとつの理由なのかもしれない。 p.150 忘れたくないことも、忘れ難いことも、早く忘れたいことも、日記に書いてしまえば、安心して忘れられる。全て忘れても何一つ忘れることなんてないことを、日記を書くことは慰めてくれる。
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