
鈍獣
@whale_in_da_room
2025年9月6日

さびしさについて
植本一子,
滝口悠生
読み始めた
最近仕事の忙しさもあってか、本が全然読めず、なんとか開いてみても少しも文章が頭に入って来なくて、気持ち悪いというかもどかしい状況が続いていた。なんとかこの不全感から逃れたいと思って手に取ったのがこの本だった。信頼できる書き手らによる、書かれたものに対する応答の連続。往復書簡という形式を選び取ったというよりは、重視されたのは読みやすさ、馴染みある文法、現代的な言葉遣いで書かれたものならなんでも良いというなおざりな態度で本を開いたにすぎないのだが、思えば最近読んでいたのは古典SFやこむずかしい翻訳文学ばかりだったので、単に「読める」ということに思いのほか安堵感を覚えている自分がいて、何事もバランスだなと思った。いろいろと余裕がない近況であったが、いま自分が読むべきものを自分の手で選び取れているという実感にホッとしている。

