犀川せせり "怠惰の美徳 (中公文庫)" 2025年9月7日

犀川せせり
犀川せせり
@seseri
2025年9月7日
怠惰の美徳 (中公文庫)
梅崎春生という人は初めましてだけど、学生の頃に読んだ近代文学(?)が大好きで、これもそれと似たような内容だったのでサクサク読めた。 大学時代に読んだ「浮雲」や「蒲団」を読んだときの衝撃は忘れられない。ネットで見かける文豪然とした写真からは想像もできないくらい、悩みや苦しみを抱えながらモヤモヤし、怠惰で赤裸々、それでいて文章が面白い。こんなにも生きている時代が違うのに、共感してしまう。なんだか励まされてしまう。 この「怠惰の美徳」も、真面目な不真面目という感じが面白おかしくて愛おしい。戦争を経て変わってしまった当時の世や人間性の話の話は、教科書などでは伺い知れない当時を生きた人間からの「リアル」さも感じて興味深かった。 いつかまた、きっと読む日が来るなと感じた本。
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