
朔
@nova_luna
2025年9月4日

星が人を愛すことなかれ
斜線堂有紀
読み終わった
心に残る一節
ガラスの靴は、ふさわしいお姫様にしか与えられない。慣れないステップでそれを割ってしまった日には、また苦笑いが待っている。(p.9)
雪里に与えられたガラスの靴は、他の靴を許さなかった。四六時中履いていなければ、すぐにサイズが合わなくなってしまう。(p.81)
みんなが憧れるガラスの靴だって、ブランドが違えば意味がない。高いヒールが履けるようになったことは嬉しいのに、高くなった視界に求めるものがない。(p.162)
「愛じゃないならこれは何」の赤羽瑠璃を中心とした話の続編的な短編集でした。このシリーズ、わたしの好きな灰羽妃楽姫も名前がちょこちょこ出てて、世界観繋がってるなぁって思えて好きです。通して使われるガラスの靴の例えも好き。そもそもが前作の「きみの長靴でいいです」でよく使われてた大好き表現だったせいもありますが(笑)
「ミニカーだって一生推してろ」で赤羽瑠璃のぶっとび感を最初に読んでるからこそ、「ミニカーを捨てよ、春を呪え」の冬美の視点が新鮮で面白い。普通は種明かしが逆では?と思うくらいイレギュラー。でもそこがいいです。赤羽瑠璃が赤羽瑠璃だと思って読むから面白いんです。


