CandidE "フロイト、性と愛について語る" 2025年9月2日

CandidE
CandidE
@araxia
2025年9月2日
フロイト、性と愛について語る
我が身可愛さゆえに多くのコメントは控えたいが、本書は予想よりもめっちゃ読みやすかった。 そして全部ではないにせよ、無意識系の論文に比して理解しやすかったのは、性や愛に付随する快感という主題が根源的に自己完結しやすいからだと思った次第。すなわち、快感は一次的で主観に直結しやすい。だから本文の内容が経験世界にじかに引っかかって、わかる感じがする。もちろんフロイトは、快感が孤立自足だとは言っていないので悪しからず。 また通読時には、突飛な飛躍や前時代的価値観の前提が諸所にぶっ込まれ、眉をひそめたり唖然としたり、タイミングによっては斜め上すぎて笑ってしまう論理展開もあった。けれども、その非現代的とされるアプローチ自体は、とてつもなく深い経験と洞察がもたらす叡智だと思う。もはやオーパーツ。 で、私のように、ぼんやりとフロイトでも読んでみようか、と手に取った読者には、本書に限らず光文社古典新訳文庫のフロイトの著作は、 訳者あとがき → 解説 → 本文 → 解説 の順で読み進めることを、個人的に強くおすすめします。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved