さくら🌸 "灰かぶりの夕海" 2025年9月7日

灰かぶりの夕海
亡き恋人と瓜二つで同じ名前の少女との出会い、そして恩師の亡き妻と瓜二つの人間が密室殺人の被害者になる……というあらすじから、SF系のありえないオチかと思ったけど、そもそも当たり前に想像してた背景が覆されてしまって、そうきたか!と思った。フィクションであるということを上手く利用した裏切り方。このトリックに関しては何を言ってもネタバレになりそうで表現が難しい。途中にあった、例えば亡き恋人と主人公がファミレスでパフェの食べ合いをしてるのを他の卓の高校生達がニヤニヤしながら見てる描写とか、「そんな珍しい光景か?」と思ったけど、そういう細かい違和感のある描写の辻褄合わせが後半畳み掛けてくる。ただ主人公が20歳の割に口調がやたら背伸びしてるのが気になった。なんというか1970年代の大人びすぎた20歳みたいな感じがリアリティなくて、序盤はだらだら読んでしまったけど、後半に差し掛かってからは止まらなくなった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved