
1129_ymoi
@1129_ymoi
2025年9月8日

大洪水 (河出文庫 ル 1-1)
J M Gル・クレジオ
詩的であり観念的で混沌とした、言語の可能世界をねじ伏せるような、圧倒的なプロローグ。
想像力の出来うる限りのことを尽くしたい、という気持ちになっている。
第一章に入るまで58ページある。
「混乱のために、線は不明瞭になり、色彩はうぶ毛や体毛で覆われ、かつて純粋だった要素は分解し、論理的な秩序は破壊され、内的意味は否定される。あらゆるものが同時にうごめき、反響する。それは沈黙とざわめきのまじった潮騒であり、世界全体の雷鳴だった。羽毛のモーターバイクがあるかと思うと、眼状斑のある男や女があり、市松模様の空があった。」
(初めに雲があった, p.14。)

