大洪水 (河出文庫 ル 1-1)

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1129_ymoi@1129_ymoi2025年11月18日読み終わったとても体力が必要な読書だったけれど、面白かった。 これだけ著者が言葉を尽くし言葉を超越しながら、残ったのはとても映像的に焼きついたいくつもの場面。 またしばらくしたら戻ってきて、その時はどう思うのかが気になる。その時に読み通せる体力があると良い。きたえる。

1129_ymoi@1129_ymoi2025年9月8日詩的であり観念的で混沌とした、言語の可能世界をねじ伏せるような、圧倒的なプロローグ。 想像力の出来うる限りのことを尽くしたい、という気持ちになっている。 第一章に入るまで58ページある。 「混乱のために、線は不明瞭になり、色彩はうぶ毛や体毛で覆われ、かつて純粋だった要素は分解し、論理的な秩序は破壊され、内的意味は否定される。あらゆるものが同時にうごめき、反響する。それは沈黙とざわめきのまじった潮騒であり、世界全体の雷鳴だった。羽毛のモーターバイクがあるかと思うと、眼状斑のある男や女があり、市松模様の空があった。」 (初めに雲があった, p.14。)






