
柿内正午
@kakisiesta
1900年1月1日

プルーストを読む生活を読む生活というのは、『プルーストを読む生活』を出してから散々言われてきたし、じっさいいくつか企画もあったけれど、ただでさえどうでもいい日記本の、さらにどうでもいい縮小再生産にしかならない。やるのであれば柿内など読まずにプルーストを読むべきだし、プルースト以外も読むべきだし、なにより「べき」とか言わずに楽しく読むべきだ。
丹渡実夢さんの本が突出しているのは、はなから僕の本など利用しやすい踏み台に過ぎず、さっさと独自の跳躍を遂げるところだ。だからこの本は、『プルーストを読む生活』が合わなかった人も楽しめるかもしれないし、こちらのほうが好きになる人もいるだろう。
あらゆる本は仮設の足場である。だから、こういうただ都合がいいから使ってやった、とでもいうような本書の太々しさが、参照される本の書き手としてはいちばん嬉しい。









