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@tabine_sora
2025年9月8日

濹東綺譚
永井荷風
読み終わった
再読
美しい叙述
「二階にはまだ客があると見えて、カーテンに灯影が映り、下の窓はあけたままであった。表のラディオも今しがた歇やんだようなので、わたくしは縁日の植木鉢をそっと窓から中に入れて、其夜はそのまま白髯橋の方へ歩みを運んだ。後の方から浅草行の京成バスが走って来たが、わたくしは停留場のある処をよく知らないので、それを求めながら歩きつづけると、幾程もなく行先に橋の燈火のきらめくのを見た」
しかし、「わたくし」の心根は何とも気に食わない
家中は秋の西日や溝(どぶ)のふち



