🐧 "平等についての小さな歴史" 2025年9月8日

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@penguin
2025年9月8日
平等についての小さな歴史
平等についての小さな歴史
トマ・ピケティ,
広野和美
4章まで読む。 経済を語れない左派なのでこういう視点が乏しい…知らないことが多く、常に勉強という気持ちで読んでいる。現代も色々あるが、数十年、数百年スパンで見ると確実に格差は縮まっていること。しかしその歩みの遅さを思えば決して誇れることではないこと。 奴隷制の歴史について全然知らなくて唖然とする。1780年代のサン=ドマングでは人口の90%が奴隷だった(そんだけ奴隷が多いと反乱が起こる可能性も高くなる)、1833年にイギリス議会で奴隷制廃止法が採択され、すべての「奴隷所有者」に賠償金が支払われた、などなど。賠償金、今の感覚だと奴隷に支払われてほしいので、えーっとなってしまう。 P58 現段階では、西欧をはじめ世界で資本主義が発展したのは、国際分業と世界中の天然資源の過剰な開発、人的資源の過剰な酷使によるところが大きく、列強間のパワーバランスがこの歴史に絶対的に重要な役割を果たしたと考えるのが妥当であるように私には思える。重要なのは、国家建設には財政・軍事能力の向上だけが関与するわけではないということだ。国家建設には、さまざまな世界観、イデオロギー、アイデンティティ、諸制度、書語、また、決して出会ったことがなく将来も決して出会うことはないが、それでも否応なしに共通の国家権力が定めるルールに従うことを受け入れている何百万という人々を結びつける「想像の共同体」が密接に関わっているのだ。 P84 とくに、地球上のどの国もどの市民も、世界の多国籍企業や億万長者たちから徴収した税金の一部を受け取る権利が与えられるべきだろう。なぜなら第一に、どんな人間も保健医療や教育を受けて成長する最低限の平等な権利があるはずだから、そして第二に、富裕諸国の繁栄は、貧困国なくしてはありえなかったのだから。欧米諸国や日本や中国が豊かになったのは、ずっと以前から、国際分業、地球上の天然資源や人材の際限のない搾取によるものだ。世界のどこかで蓄積されてきた富はすべて世界経済システムが生み出したものなのだから、公正や平等への歩みについて世界レベルで問題提起するべきなのだ。
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