平等についての小さな歴史

16件の記録
- 🐧@penguin2025年9月13日読み終わった読了。とりあえず印象に残ったところをメモ。 P150 この袋小路から抜け出すのに他の可能性はない。なぜなら、国際ルールの見直しは、北側世界にとっての課題であるだけでなく、南側世界にとっても、そして地球全体にとっても切実な課題なのだから。社会目標も環境目標もない、資本や財とサービスの自由な流通に立脚する現在の経済システムは、富裕層に利する新植民地主義に大いに通じるところがある。 P163 社会的クオータ制あるいは人種クオータ制の採用を検討する前に、まず取り組むべきはこうした差別と闘うことだ。言い換えれば、人種差別やその他の差別行為を特定し、何よりも、そういう差別行為をしている社会人(雇用主、警察官、支援者、デモの参加者、インターネットユーザーなど)に対して法的措置をとるなど、差別行為をやめさせるためのあらゆる手段を講じる必要がある。 P168 強調すべきは、欧米諸国はこれまでインドで実施されてきた留保制度に匹敵する社会的クオータ制あるいは人種クオータ制を決して採用してこなかったこと、したがって、こうした問題に対処する制度をどんどんつくりだす必要があるということだ。アメリカでは南北戦争後に元奴隷たちに賠償する約束がなされたものの、その約束は決して果たされなかった。1964年、公民権法の成立で人種差別が撤磨されたとき、ジョンソン政権は、政府調達に応募する企業に多様性を誓約することを課すなど、数々の政策を打ち出した。ところが想像とは裏腹に、連邦政府のどの法律にも大学入学、公職、議員職あるいはその他の同様のポストでのクオータ制を定める正式な制度について一切規程されていない。 P182 国際援助の概念そのものをめぐるとんでもない偽善についても強調する必要がある。まず、政府開発援助は想像以上に少なく、総額で世界GDPの0・2%に満たない(緊急人道支援は世界GDPのせいぜい0・03%)。それに引き換え、富裕国の炭素排出によって貧困国が被っている環境上の損害は、それだけで世界GDPの数%に上る。第二の問題は、これは決して些細なことではないのだが、アフリカや南アジアなどいわゆる「援助を受けている」ほとんどの国では、多国籍企業の利益や資本逃避の形で流出する資金が、実際のところ、政府開発援助による流入資金より数倍も多いことだ(表向きの国民経済計算に記載される流出資金に限定する場合も含めて、実際のフローを過小評価していると思われる)。これは、世界の中心と周辺の関係という驚くべき重要な問題点のひとつである。


- 🐧@penguin2025年9月13日まだ読んでる6章の再分配について、アツい!これまでで一番面白く読めている。税の累進性が機能していると経済が上向き、人々の生活も平等に近づく。今は累進性はあるけど実際には富裕層や大企業がすっごい節税できる仕組みになっていたりして、「真の累進性は姿を消してしまった」(P120) P128からの、第二次世界大戦後の戦争債務を帳消しにする世界各国の取り組みも面白い。日本も1946〜1947年の特別資産税の最高税率90%=累進性バカ高い政策を打ち、これによって戦争債務を清算、「大再分配」を果たしている。 完全に理解できているとは言えないけど、とにかく「やればできるんじゃん!!」という気持ちにはなる。

- 🐧@penguin2025年9月7日読み始めた〈あなたの著書はとても興味深いです。でも、その研究について友人や家族と共有できるように、もう少し短くまとめて書いてもらえるとありがたいですが、どうでしょう?〉 そんな読者の要望に応えて、ピケティの1000ページの本×3=3000ページを250ページに凝縮。本とはもともと膨大な知を凝縮したものだと思うし、読む前からとてもワクワクしている!箔押しの装丁もタイトルも洒落ている〜


ナベリコブタ@naberikobuta2025年4月27日読み終わったR7-4 ★★★★☆ 『21世紀の資本』から脱落した側としては、まさにこんな本を求めていたのよ、と購入。 内容もボリュームもちょうど良かった。そして装丁が上品で好き。










