DaDa
@tub
2025年9月9日

まとまらない言葉を生きる
荒井裕樹
読み終わった
まえがきの書き出しにはこう書かれています。
「 「言葉が壊れてきた」と思う。
いや、言葉そのものが勝手に壊れることはないから、「壊された」という方が正確かもしれない」
また「言葉が壊される」の定義を
「言葉が壊されるというのは、ひとつには、人の尊厳を傷つけるような言葉が発せられること、そうした言葉が生活圏にまぎれ込んでいることへの恐れやためらいの感覚が薄くなっってきた、ということだ」としています。
人は言葉によって救われる事もあるが、立ち直れないほど傷付ける事、大袈裟でなく他者や私を殺す事も充分に可能なものです。
安倍政権以降の政治家の無責任な態度・言説が吐かれ、SNSの普及からヘイトスピーチが蔓延、他者への軽重内混ぜの憎悪が可視化される事で、言葉の軽さや不信感が空気となって私達の取り囲んでいる。
著者はその空気に抵抗する為、悔しがる為、
現在まで出会い拾い上げた言葉や彼に贈られた言葉達を、日々遭遇する状況や生じた感情を起点に引き出しエピソードと共に書き記しています。
本書は著者が出会う言葉に立ち止まり考え続ける姿が、言葉の贈り主への感謝と私達への祈りが刻まれているのが感じられると思います。
