とんとろ "断片的なものの社会学" 2025年9月9日

断片的なものの社会学
積読消化キャンペーン第一弾。 職場で話題になって買ってみた一冊。実はこの前に『東京の生活史』を購入しているもののこちらは未読。 近くの書店に『調査する人生』が並んでおり、気になってそう言えば、と重い腰を上げた次第。 思ったよりスラスラ読めた。 社会学、と銘打っているけれど、そして確かに社会の問題について述べられているけれど、筆者はずっと惑っている。結論が出ない問題やアプローチ、あり方に対して、なんらかのスタンスで回答することが「正義」とされているような気がしていたが、筆者はわからない、とつぶやき続けるというスタンスを呈示して、そういう風潮に対してのカウンターを示しているようにも見える。 わからない、わからない、と繰り返されるなかで時々差し挟まれる断定的な口調(それは主観的なものの見方をしている箇所に限定される)が、流れの中にある石のようなリズムをもたらしている。
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