
読書記録
@records
2025年9月9日

新潮2025年10月号
新潮編集部
読み始めた
まだ読んでる
松浦理英子「今度は異性愛」
一気読みしてしまうのももったいなくて、少しずつ読んでいる。全体の1/3くらい読んだ。
これまで趣味で男性同性愛の小説を書いていた主人公が、老齢になって異性愛小説を書いてみようと思い至ってから、書きあぐねている過程を日記として記録している文章、という形式の小説!(主人公は松浦理英子のようなプロの作家ではないし完全フィクションだけど、ちょい私小説風の設定で書かれていて面白い)
「この日記の目的は異性愛を描こうとしている私の記録」p.15
途中まで読んだところで特に良かったのは、近年、ゆるやかな関係に関心が高まっているという文脈で出てきた、ミツバチが花の中で二匹並んで眠ることがある、という話についての記述。
「ミツバチが別の個体とともにいることの楽しみを知っているように見えるのは感動的だった。仰々しい愛や情念とは無縁でも、そこには生きものが別の個体を求める欲求の初源的なかたちが顕れているように思えた。深刻ではなく、あくまで手軽で気軽に見えるところも好ましかった。」p.32-33
(中略)
「考えをめぐらせているうちに、蜜を集める働きバチはすべて雌だから、花の褥に眠る二匹のミツバチは雌同士であることに気がついた。」p.34
ここまで異性愛なし!

