くりす
@kurisu
2025年9月9日

読み終わった
発売日に買ってようやく読めた
わりと常々思っている陰謀論やMBTIへのモヤモヤを理解する上でのよい補助線となる本でした。
物語化って楽なんだよね。ほんと。本来複雑だったり、ひとつの筋が存在しない現実をある構造に落とし込むことで理解しやすかったり扱いやすい形に落とし込むという作業、それが物語化だと考える。
だけどそもそも例えば自分の人生は物語のためにあるわけではないから、物語性を見出そうとする行いそのものが自分の人生の何かを捨象しかねないよね。
あと、本来人の性格に「本質」なんて存在しないはずで、いわゆる性格とされるものって、個別の事象に対して発生する情動の「過去の傾向」でしかなくて、それが現在または未来に発生する事象に対して自分がどう反応するか?とかは予測不可能で無限の可能性を秘めてるはずなのに、「キャラ」化することでその情動の発生可能性が狭まってしまう。つまり、ある種の「性格」を規定する、ましてや「ENFPだから〜なんだよね〜」とかいうような行いそれそのものは「性格」を過剰に評価してかつ人間の可能性を否定している行いだと思います!
ただ、だけどやはり世界を理解するある種のスキームがないと世界を理解するのは不可能で、この世の中って基本的にはアナログで連続的な情報が存在しているはずだけど、アナログな情報って情報量が無限になってしまうからおそらく脳の中の処理はデジタルな処理がなされているはず??(曖昧)であるし、まあそもそも言語を使うという営み自体が世界を大雑把にデジタルな形に切り取るっていうひとつの「物語化」であると言えるよね。
心の理論なんてものは物語化以外の何ものでもないし、いちいち無限の可能性を想定していたら相互理解なんて絶対に無理になってしまう。
だから物語化がないと世界や他人を理解すること、ひいては人間関係を形成することなんて不可能になってしまう。
