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@tabine_sora
2025年9月10日

自分は「底辺の人間」です 京都アニメーション放火殺人事件
京都新聞取材班
読み終わった
「訳のわからん悲しさの中にいるのに、どどーっと質問されるとパニックになる」
「マイクを向ける時、相手の顔を見てほしい」
記者「事件のことを風化させないようにと、私たちは言いがちですが」
遺族「なんで風化させてくれないの。悲しみを覚えておけと言うのか。風化させなくてどうするんですか。さらしものになるだけじゃないですか。よう言うわ」
「今となってみれば、生きた証しを名前で表さなくてもいい。思い出すことは、私たち家族の中だけでやったらいいかな」
青葉「うちの親父が理不尽なのは当たり前です。反対意見を出したらすぐに出て行けとなる。何か異論を言っていたら、やっていけないので」
「(母親は)ある日急に出て行った。自分のことしか考えていない人という認識です」
「底辺のコンビニ店員だった時、おとなしくさせるには、やり返して黙らせるとか強硬な手段をとらないと終わらなかったんです。無法地帯だったので。そういう場所は自己責任。自分が折れて解決しないまま、どんどんエスカレートする方向にしかならなかったというのがある。最終手段は仕返しするしかなかった。完全に力でねじ伏せて黙らせるという『底辺の論理』がありました。自分自身もそれに染まらざるを得なかったというのがあります」
「政治的に小泉内閣の改革が進んでいて、どちらかというと弱者切り捨ての時代背景だったと思います」
「前科があると、一度付いちゃったらもういいか、となってしまう。そういう意味では箍というか、自分を支配していた良心がなくなった記憶があります」
「派遣の仕事というのは、正社員と同じ扱いだけど、同じ待遇を用意していない。『頑張れば正社員になれる』と吹き込んで、頑張るだけ頑張らせておいて、ばっさり切る世界なんです。秋葉原の事件の例と、マツダで自動車を暴走させた人も、確か派遣切りがきっかけで事件を起こしている。人間扱いしないとまでは言いませんが、いくらなんでもそういう扱いをするのか、という場所です。そういう事件に至るきっかけはあると思います」
検察官 自分の半生はどうだった、と考えていたのか。
青葉 京アニは光の階段を上っているように思えた。自分の半生は、もう、あまりにも暗いと思った。
検察官 (犯行に)迷いはなかったのか。
青葉 やはりためらうものです。(しかし)やはり、どうしても暗いと考えて。それで、やっぱりここまできたら、やろうと思った。
青葉「人とのつながりが完全になくなったとき、犯罪行為に走る」


