
@nk
@nk_250828-
2025年9月10日

うろん紀行
わかしょ文庫
読了@nk
本を携え、どこかへ行く。そこで小説を読み、思うことを書く。そんな15章分が収められた1冊。
著者が訪れるのは小説と何かしら繋がりのある場所。
わかしょ文庫とは、一体何者なのだろう。
ときにユーモラスであり、ぐっと惹きつけられる1文を射し込んだりするあたり、実は著名な作家なのではあるまいかと思いながら読み進めた。
一方で著者はというと、出だしこそ意気揚々だったらしいが、(会社員をしながら)何者かになろうともがきながら書いていたらしい。
そしてWeb連載でのラストだった第12章を機に、書くことに吹っ切れたのだと「あとがき」で明かしていて、まさにこれは読んでいて感じたことそのものだった。
変わりゆく暮らしと共に本がある。本に呼ばれて表紙を開く。過去と今、そして未来を行き来する。 “うろん”と名付けたのは謙遜でしかなく、あまりに麗しき紀行の書だった。



