
ねう
@neuawai
2025年9月10日

恋とそれとあと全部
住野よる
読み終わった
2025年読了本
読み終わりました。
すごく良かった。
最後の方のサブレの恋に対するセリフがすごく響いて。そういう恋、というか愛の形が自分にとっても理想なんだなーって。「放したくない不自由」って言葉に震えた。
住野よるさんの作品って、自分が思っている自分像と、他者から見えている自分像のズレみたいなものを描いていることが多い気がしていて。
自分のことって自分でわかってるつもりになってても、隠している汚い部分とか、ずるい部分とかって、意外とまわりにはバレてる。でも、それがバレてても、そこも含めて好きで一緒にいてくれてる。それが親友であり、恋人であるのかもしれないなぁ。
サブレの気遣いに対して後半「さすがにめんどくさいな」と思ったけれど。そういう気遣いや配慮しすぎる部分って自分のなかにもあるからこその気持ちってのに気づけたのが面白かった。
気遣いすぎると逆に相手に失礼になる、ということに大人になる過程で気づいたから、気になってもあえて気遣いをしないとか、言わないとかをするようになっていて。それは空気を読む文化の京都で育ち、京都を出たときに、京都の当たり前の気遣いの文化が、京都外では一周まわって気遣いできてない人に思われることもあるんだと気づいた体験から来ているのかもしれない。
同族嫌悪、とは少し違うんだけれど。サブレに対していろんな感情がありつつ、そんなサブレのめんどくささを、めんどくさいと捉えず、そこも含めて大切に見守ってるめえめえや、友達たちの愛の深さに、すごい好きって思った。わたしの親友たちも、こんな気持ちなのかもなぁ。
いいところも悪いところもあって。そんな全部を含めて、「いいんじゃない」って思えることが愛なのかも。友情でも、恋愛的な関係でも。
