
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年9月10日

「九月」を生きた人びと
加藤直樹
まだ読んでる
就寝前読書
お風呂読書
@ 自宅
関東大震災時の朝鮮人虐殺を考えるうえで、間島出兵やシベリア出兵などを視野に入れておくことがなぜ重要なのか。セクション2は短い7篇が収められていた。1篇目「パルチザンの幻影」は特に重要。
〈これは黒島[プロレタリア作家・黒島伝治]自身がシベリアで抱いた思いであったに違いないが、同時に、日本の庶民に向けたアジテーションであったはずだ。侵略戦争から降りよう。他国の庶民を殺す戦争はもうやめよう。おれらがやめりゃ、やまるんだ!/だが、黒島の叫びが多くの人に届くことはなかった。[...]日本の庶民は再び、周辺諸民族の民衆そのものを敵とする戦争へと動員されていく。それは、1920年代のそれよりもさらに大規模で、さらに残虐な戦争だった。〉(86-87頁)
2020年代の私たちは今どこに向かおうとしている?〈おれらがやめりゃ、やまるんだ!〉の言葉が虚しくも切々と再び響く。
セクション3の1篇目のさわりも読む。タイトル通り「嫌韓」の歴史的起源を辿っていく。なぜこうも日本の言論空間では韓国・朝鮮認識が歪むのか。「尊王思想による属国視」「進歩主義に基づく劣位視」「『藩屏論』による客体視」という系譜で押さえていくとのこと。




