ゆめ "夜と霧 新版" 2025年9月10日

ゆめ
ゆめ
@yuyu427
2025年9月10日
夜と霧 新版
夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル,
池田香代子
ずっと気になっていたけど読まずにいた本が電子図書館に入ったのでようやく読んだ。 読書ノートに書き留めておきたい箇所が多くあった。 お義父さんを突然亡くした直後だからか、愛と苦しみについての記述が特に心に残った。 ---------------- 人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、わたしは理解したのだ。(中略)そして、わたしは知り、学んだのだ。愛は生身の人間の存在とはほとんど関係なく、愛する妻の精神的な存在、つまり(哲学者のいう)「本質」に深くかかわっている、ということを。愛する妻の「現存」、わたしとともにあること、肉体が存在すること、生きてあることは、まったく問題の外なのだ。 具体的な運命が人間を苦しめるなら、人はこの苦しみを責務と、たった一度だけ課される責務としなければならないだろう。人間は苦しみと向き合い、この苦しみに満ちた運命とともに全宇宙にたった一度、そしてふたつとないあり方で存在しているのだという意識にまで到達しなければならない。だれもその人から苦しみを取り除くことはできない。だれもその人の身代りになって苦しみをとことん苦しむことはできない。この運命を引き当てたその人自身がこの苦しみを引きうけることに、ふたつとないなにかをなしとげるたった一度の可能性はあるのだ。
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