
Anna福
@reads--250309
2025年9月11日

ロ・ギワンに会った
チョ・ヘジン,
浅田絵美
読み終わった
読んでいると、小雨が衣に染み込むように静かに悲しみが心に染み渡ってくる作品だった。
他者はどこまでも他者であり、その苦しみや悲しみに完全に寄り添うことはできないーその事実にさえ、負い目や痛みを感じることがある。
そして自分だけの悲しみは誰にも理解されないのだと絶望している人にこそ、この物語は読まれてほしいと思う。
ただ最後へ向かう流れは、情緒の余韻を置き去りにしてしまった印象。
登場人物達の痛みや孤独が丁寧に積み重ねられてきたにも関わらず、その結末はまるで物語の帳尻を合わせる為に用意された慌しさが私には感じられた。



