ロ・ギワンに会った

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- Anna福@reads--2503092025年9月11日読み終わった読んでいると、小雨が衣に染み込むように静かに悲しみが心に染み渡ってくる作品だった。 他者はどこまでも他者であり、その苦しみや悲しみに完全に寄り添うことはできないーその事実にさえ、負い目や痛みを感じることがある。 そして自分だけの悲しみは誰にも理解されないのだと絶望している人にこそ、この物語は読まれてほしいと思う。 ただ最後へ向かう流れは、情緒の余韻を置き去りにしてしまった印象。 登場人物達の痛みや孤独が丁寧に積み重ねられてきたにも関わらず、その結末はまるで物語の帳尻を合わせる為に用意された慌しさが私には感じられた。
- いあに@IANI832025年5月4日買った読み終わった北朝鮮から脱北したロ・ギワンを追ってベルギーブリュッセルまで行ったキムは彼女自身も痛みを持っていて…というあらすじ。 真の憐れみとは何か。登場人物が抱える不遇ないし理不尽というものが、他者との関わりの中で傷つきながらも受け止められていく。人との関わりって本来こういうものなのかもなあと思いつつ、こんなふうに人と関わったことないなあとも。描写が巧みでロ・ギワンがキムが感じたことを直に触れたような心地になれた。また読みたい。