
つたゐ
@tutai_k
2025年9月11日

虫を描く女(ひと)
中野京子
読み終わった
誕生日だし、仕事とか関係ない「読みたい」だけの本買おう!と思って買った本!
いやー!!!!!読めてよかった。
17世紀のドイツに生きた昆虫画家の生涯。大画家の家に生まれた女の子が、自分の興味のままに昆虫と向き合い、昆虫が「変態する」とは考えられていなかった時代に、その「変態」を観察し、画才を発揮して、最高傑作の画集を作るまでを追っている。
17世紀のヨーロッパで、女性が離婚して母娘を連れて生きていくこと、南アメリカへ渡り、現地の生物を観察したこと、旺盛な好奇心と凄まじい行動力が描かれていて、めちゃめちゃ面白かった。
フェミニズムや女性史として読むこともできると思うんだけど、なんというかその好奇心、探究力!の凄まじさに圧倒されて、ただただ読み物としても最高に面白く読める本だと思った。
だけど「昆虫が変態する」と考えられなかった時代に描かれたマリア・メーリアンの絵は、科学の発展とともに否定されるようになってしまう。「その時代」の最先端や、芸術性を科学があっさりと批判/否定していくところとかは読んでいて苦しくなった。でも、マリア・メーリアンの絵というものは、すばらしく、その軌跡もまた否定されるものではない。
こんな夢中になって読める本があるの、本当にいいなあ。






